さまざまな生産活動を通して発生する産業廃液や廃ガスに対する規制は、世界的な環境意識の高まりとともに厳しさを増しています。
私たちは高度な燃焼技術を駆使してこれに対応。さらなる環境性能を求めて新たな技術開発に挑んでいます。
1950年代にイギリスのアークハート社からの技術導入を行い、以後約60年余にわたり改良が加えられている燃焼器です。
燃焼室内に燃焼空気を3方向から供給する事により、短炎化を実現し、燃焼室内で完全燃焼が可能です。また、液中燃焼式焼却炉においては、炉内圧変動が起こりますが、そのような変動負荷による失火等は起こらず、安定した燃焼が可能となっております。
炉内で廃液の分解が適切に行われるためには、廃液が微粒化され、炉内に噴霧される必要があります。廃液の液滴流径が大きいと、分解炉内で高温酸化分解されず、未燃物の発生原因となりかねません。
そのため、廃液の容量や組成、特性により、それぞれ適切なスプレヤを選定する必要があり、平均150μ以下を社内基準と定めております。
運転操業中に、スプレヤの交換やメンテナンスが必要になる場合に備えて、スプレヤを抜いた場合に起こる高温ガスの流出を抑えるため、独自のシール機構を開発いたしました。これにより、スプレヤトラブルによる焼却炉運転を止める必要が無く、継続した焼却炉操業を可能としております。
排ガス冷却
分解炉から出る高温排ガスは、ガス冷却缶のシール液を潜る事によって、効果的に約90度まで瞬時に増湿冷却されます。炉内で発生した溶融塩は炉壁を流下、ディップチューブを通して、冷却缶水(シール液)中に溶解されます。ディップチューブは濡れ壁構造を採用し焼損トラブルを防止しています。
機器設計の留意点は、金属の腐食(標準材質はTi又はSUS316L)・熱ひずみ・塩の付着防止を考慮し行う必要があります。